練馬区大泉学園ゆめーてる商店街

窪田屋酒店

『天明』『一生青春』醸造元、「曙酒造」での研修



どーもです

先日は会津坂下にて「曙酒造」の研修に出席致しました

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思えば父からのお取引先で、随分長いこと『天明』は窪田屋に置いてありました
それに甘んじていたのか、会津坂下の地に降りたったのはその日が初めてでした

会津若松からインター降りる予定が、チェーン規制のため手前の磐梯熱海(ばんだいあたみ)で降りることになり、
気温が氷点下のなか車を走らせ、おおよそ4時間かけて到着
まだ寒く冷たい風が強く吹く坂下の空はカラッと晴れており、絶好の研修日和(?)でした

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中へ入ると障子やら壁紙が剥がれており、その訳を蔵の方が説明して下さいました

「震災(3.11)の爪痕です」

未曽有の大災害に見舞われたあの日、横揺れの強さで引っ張られたことによる剥離
その記憶の一部として今後も修繕はしないとのことでした
一種の記憶装置として、それはレベッカホルンとは異なった空間をレイアウトしていた

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製造責任者の孝市さん主導で蔵の説明がはじまる

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ウッドソンの洗米機、昨今では定番と化したマシーンが2機
近年の蔵の洗米はほぼほぼ機械式での洗米で、手洗い・足踏みなどによる手動での洗米は見かけなくなった
一部の蔵では吟醸は手洗いという蔵もあるが、どうしても洗米の具合にムラができるので、全量手洗いという蔵はほぼ消滅している

浸漬については驚くべき説明があった
「うちはコメ(の品種)に関わらず、吸水歩合を一定にしている」
例えば吸水歩合を30%(130%)に決めたら、山田も五百万石もすべてその30%を目指し吸わせるのだという
孝市氏いわく、この吸水率を一定にすることで米の品種ごとの個性を引き出そうという目論見のようだ
個人的には賛同しかねる話で面食らった
そこには毎年の米の出来が反映されない結果となるのではと思った
米が異様に硬い年、あるいは異様にもろい年、今年の福島米は硬い年の様だが、
その年の米の性質に見合った蒸しをしなくては醪の段階で融けすぎて味が多くなったり、逆に融けなさすぎて粕歩合が異常に高くなったりと酒質がブレる
蒸きょうがいかに重要な作業か蔵人なら誰しもが知るところだが、その理想の蒸しを行うためにはその前段階、洗米の巧拙が影響を及ぼすことは言わずもがな、であるのだが……
また米の調湿を行っているのだが、コメ内部の水分量が一定である保証はどこにもない
品種ごとに水の吐き出す速度(保水力)に違いがあるために、同じ30%でも製麹の際の破精込み具合などに差がでるような気がする
結局、30%という見かけの数字合わせでなくその米の性質に見合ったかたちの原料処理をすることが蔵の腕の見せ所であるし、コメの品種ごとの個性はベストな原料処理から導き出すものではないか、と僕は思う

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続いて驚いたのは(おそらくは翌日蒸すのだと思うが)既に甑にコメが張られていたこと
蒸す前のコメの張り込み作業は重労働ゆえ前日に張り込み翌日に備える気持ちもわからなくないが、
いわゆる“抜掛け” を省略した蒸しではコメの粒同士が互いに密着して蒸気の通り道が細くあるいは塞がれるために“片抜け”現象を起こし、蒸し具合にムラが生じる原因となる
蒸し具合のムラは延いては麹菌の破精込み具合、醪の融け具合のムラへとつながるため、洗米でムラを無くそうがここで片抜けしては悪い意味で帳尻が合う結果となりやしないか

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蒸しはボイラーで乾燥蒸気を得られるように工夫がしてある
ボイラーと甑までの距離と蒸気の速力・温度を聞き忘れていたが、蒸きょう時間はおおよそ1時間とのことでおそらくこれも時間で区切った蒸しなのだろうと思う

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酛場は細長く、見学の際には生酛系3本の酒母が据えてあった
この蔵ではメインが速醸(たぶん普通速醸)で山廃と生酛もやっている
速醸と生酛で部屋は独立していたが、後者は十分な広さのある部屋ではなかったし風の通しも十分そうには見受けられなかった
生酛系をやっている蔵ではあるが、
山廃は汲み掛けによる酛育成ということで、新式生酛に近いものだと感じたし、
生酛は手酛ということで、摺らない山廃に近いもののような気がした
おそらく糊味が出ることを恐れての操作だと推察するが、生酛なら生酛に合った重た目の蒸しにするなど原料処理での工夫が今後重要になってくると思う
天明の生酛系はラインアップから落とすいい契機になった

室も案内してくれたが、室内は非公開にしてくれとの要請があったので画像は割愛

前室があり温度の異なる室が2つと天幕のある部屋があった
すべてパネヒで調節

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これは確か醪のある部屋で、室温は常に一定になるよう空調を効かせていた
この辺りから天明が思想“熱ストレス”に対する姿勢を見ることができるが、
この“熱ストレス”とはとにかくお酒に温度差によるダメージを与えないという考えで、
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槽場や貯蔵庫も低温に保たれていた

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上槽後はサーマルで即座に温度を下げ、滓引きを急いでいる
この滓引き操作も酒の熟成具合や酒質設計に応じたものでなく、とにかく早いタイミングでの滓引きを行うという説明だった
秋物・冬物も即座の滓引きということで、ここにも蔵の姿勢がうかがえた

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ちなみにこの部屋だったか定かではないが、清潔第一と丁寧な造りを標榜する蔵の排水溝の汚れが放置されていた
排水溝の汚れは見落としがちだが、水が溜まっていると雑菌が繁殖しよろしくないため水気を取り清潔を心がけてほしい
ただし目に見える所の床などはキレイに清掃が行き届いており、良好であった

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ろ過に関してはノーカーボンで中空糸とペーパーかませる方法だったと記憶している
火入れは熱交換2機による低温での瓶詰でここでも熱ストレスへの姿勢が見られた

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あとは部屋に戻り利き酒と会津名物「こづゆ」などを頂いた
こづゆは庶民のごちそうとして今なお晴の日や正月にも食べられる郷土料理らしく、これを振る舞ってくれた会津の心遣いに感謝した

未来に向けた話(株式会社化するとか、ワイン醸造を開始するとか)もあったが、ここで言うのはやめておく

坂下には飛露喜醸造元がありまた福島全体を見渡してみても多くの銘醸蔵が鎮座している

その中で『天明』というブランドの立ち位置はどこにあるのか、
ブランド発足から20年経た現在、今後の『天明』や「曙酒造」としてのヴィジョン、
それらを知るいい機会となった

感謝
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